1/18遊園地再生事業団+ニブロール『トーキョー/不在/ハムレット』

もう何日か経ってるし他の人の感想も読んでるので、率直な感想としてではなく、余所の感想(http://sf.livedoor.com/search?q=%CD%B7%B1%E0%C3%CF%BA%C6%C0%B8%BB%F6%B6%C8%C3%C4&sf=update_date)を読んだ上で書きます。

感想見て思ったのが、見事に賛否両論分かれたなということ。良いとしている人は、問答無用で圧倒的なものを見たという感じ、悪いという人は散漫だ、まとまりがないという所。細かく言えば、この演劇はセリフ劇の所とダンスの所と分かれていてそのダンス含めて良かったのか、それも邪魔だったのかとかで、さらに意見が分かれる所でしょうがそれはおいておきます。

僕はどうだったのかといえば、かなり満足したので前者に近いです。まあダンスはいらなかったんじゃないの?とか思いましたし、ラストの方はおまけのように変なシーンが続いて変なのと思いましたが。基本的に話の種類としては青山真治ユリイカ』や阿部和重シンセミア』のような、中上健次的な世界を自分でまたやってみる系でした。舞台は北川辺という埼玉の端の町。若い男女がウロウロしたりしてる中で人が死んだり失踪したりSEXしてました。

まあ最後にとってつけたように隠れキリシタンの住んでいた所だったとか出てきて、そんなのよりも、いまのその町の持つ生活感で攻めたほうが良いんでないのという気がしていて、実際劇に出てきたけど田舎のスナックの重要性とかがもっと出てれば良かったのかもしれない。でも話全体としてはおもしろかった。どこが良かったのかっていうのが難しくて、話の要素の広がり具合、東京での話とか、死ぬ女の子が死ぬまでの話とか、そういう散らばり具合がそれなりに大きい世界を作ってくれたから楽しかったんだと思う。演劇でこんなことできるんだって思ったのもあるけど。ダンスとかCGがもっと世界観の構築に役立つ方へいってればもっと良かったと思う。

他にメモを見ると「最初は叙情的な話かと思った」とか「オッパイが意味無かった」、「詩がありえないくらいダサイ」「田舎の話に無理矢理しちゃった感がある」とか書いてあります。

「最初は叙情的な話かと思った」というのは、始めに女の子の死体がいけに浮かぶ映像が流れるんですがそれが綺麗で、そのあとも単に車の中から街を撮った映像とかがあるんですがそれがかなり綺麗で、センチメンタルな空気出す方向でいくのかなと思いきや、血と肉とって程ではないけど、ややそっちよりのバイオレンス?とセックスの世界観に近づき気味でした。

「オッパイが意味無かった」っていうのは、まあ意味のあるオッパイというのもあまり世の中にないと思いますが、途中タライの中に白い服着た女にまわりの男が水をかけて、女の服が透けて胸が見えるっていう象徴的なシーンがあるんですが、何の象徴だったか心底分からなかったです(笑)。まあ説明聞けば、そんなことかって言う程度の話でもある気がしますが。

「詩がありえないくらいダサイ」町には詩人というのがいて詩を喋りながらウロウロしているという設定だったんですが、その詩がださかった。最初は、まあそういうダサイ詩をいうキャラなんでしょとか思っていたが、あとから何回も同じ詩を声を張り上げながら言うのでウザかった。今日び、その中途半端な文語体は何よとか思うわけだ。

「田舎の話に無理矢理しちゃった感がある」。これは最後の方にどういうオチが来るんだろうと思っていた所で、田舎がつまんなくてさーとかセリフで言っていて、それは観た側に任せる所でいちいち説明的にセリフつけちゃだめなんじゃないかって思ったということです。が、よその感想見ると頭の部分でも「つまんない」とか言っていたらしく(僕は5分程遅刻)、単にループさせただけなのかもしれない。でも最初に言っておいた分は重低音に流れる程度の意味でいいかもしれないけど、最後にまたいうと説明的にはなっちゃうだろとは思う。

まあこんな感じです。あんまり褒めるのうまくいってないけど、僕はかなり面白かった派です。あと、この演劇は4回のプレ公演(実験公演とか映画公演とかあったらしい)のあとの本公演でしたが、僕はそれまでのは見ないで初めて見ました。

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