2004年度現代文学会講演会 米谷匡史×岡真理

僕がOBである所の現文の今年の講演会。早稲田大学でやってました。やっぱり大学の方が近くていい。
とりあえずの感想は長かった…というのと、せっかく二人呼んだんだからもう少し二人で絡んで喋ると良かったという所か。二人の印象は、岡真理がインテリ左翼女のイメージそのまま、米谷はもう少し攻撃的なのを予想してたんだけど(山之内靖との対談の印象などから)、攻撃性なんて全然無い良いお兄さんて感じだった。

話していた内容は、米谷が30年代の批評についてで、戸坂潤は『日本イデオロギー論』などマルクス主義の原理的な立場に立った考察で知られるが、実際、時評的なところでは社会大衆党を支持したりするなど、臨機応変に当事者としていろいろやっていたりすることなどを話していた。このように当事者意識溢れる竹内好や尾崎秀実など30年代に苦闘していた批評を読むことで、現在自分、また自分たちが置かれている戦争支持的な世論の中でどうするかを考えたいということだった。岡真理は、今、世界の中で格闘している人の例を挙げて、Live感というか生々しさに溢れる話をいていておもしろかった。『Promise』というユダヤアメリカ人の撮った映画、イラクで発行された『Under Occupation』という新聞の話、またサラ・ロイというホロコースト・サバイバーの娘の話など。それぞれ一時間ずつ話して、あと一応質疑応答があった。なんかたくさんの人が質問していた。皆さん元気で偉いなあと思った。