「横浜トリエンナーレ2005 アートサーカス[日常からの跳躍]」感想

第1回に引き続き、横浜トリエンナーレ行ってきました。前回と較べると前評判が地味な気もしましたが、それは僕が本や情報全体に触れることが少なくなったからかもしれないので、実際の所は知りません。全体の感想ですが、まず会場が山下公園の先の倉庫になったのですがこれは良かった。赤レンガ倉庫みたいな凄いいい雰囲気ということはないですけど、広さ的に丁度良いしパシフィコとかのだだっ広い展示展示な感じの所と較べると、自然にそれぞれの作品と向き合うことができました。あとは、前回は名前聞いたことある人の有名なやつを集めてきましたって感じだったのが、今回はこの展覧会用に作ってきた作品が多くてそれぞれ熱がこもっていて良かった。あとはやたらボランティアスタッフがウロウロしてたけど、それも手作り感覚が出て良かった。この手作り感覚というのが、前回と大きく違う所なのだけど、無理矢理出したものなのか、実際に金がなかったからなのか分からないけど(横トリのブログがアンテナに入ってるはずだけど全然読んでないです)、どっちだとしても良い方向に変わったことには違いない。もしも前者の無理矢理出した手作り感だとしたら、蕎麦屋とかで手作りウリにしてるみたいでインチキくさいと言えるのではないかという意見もあるかもしれないけれども、パシフィコとかメッセとかでやるような展示というのは展示ができるまでの過程なんて全然分かってない人がよってたかって主催して見る方はそれ見て褒めてって感じのイベントなわけで、お年寄りがお米は農家の人の苦労を考えて食べなさいって言ってるのと同じ種類の意見だけれど、何であれそれができる過程にたいして敬意をもって接しないと、全てのものがどんどん浅いものになっていってしまうので、そういう意味では手作り感というのは肯定されるべきだと思います。
 問題としては、前回も今回も一人で行ったのだけれど、今回の方が一人で廻るのがきつかった。単に行列ができてる所が多かったっていう話ですけど。基本的にカップルは良いとしても男二人とか傍目にみて冴えないヤツらだなあとかいつも思ってますし(気にならない人達もいますよ)、普段から一人で気の向くままのペースで動きたい一人行動派なんですけど、行列だけはいかんともし難い。というわけでこれから行く人は男二人でもいいから複数で行った方がいいと思います。
 作品としては、建物の上で毛糸編んでるのがインパクトがあったなあ。あとはコンテナの箱の中でみた花火のミニ映画が面白かった。天使のアンテナは、それまでみんなで何の変化もないじゃんと訝しがってたのが、女子高生の団体と案内員がきて「さあ皆さん一緒に頑張りましょう」って言って静かになったら、あっさり灯がついたのは、それはねーだろって思って苦笑いせざるをえなかった。
 心残りは光ブランコの前にある変な建物に入れなかったこと。閉館間際まで粘ればどうにかならないかなと期待したんですけどこれはずっと行列が減らなくて、30分ぐらい前にこの時点で並んでる人までしか入れないということになってしまった。まあ全体としては大満足でしたけど、つかれたし。何年に一回の大イベントと考えると大げさすぎだけど、普通の現代アートの展覧会と考えればいいイベントだったと思います。
http://www.yokohama2005.jp/jp/

もちろん、場内撮影禁止だったのですが、結構バシャバシャみんな写真撮ってるという心和むイベントでした。